来年の総北のインターハイ前シーズンを妄想してみた②

 

 

今シーズンのインハイではオールラウンダーとして大活躍した鳴子ですが、おそらく彼は、山を登れるようになったのは、ぜんぶ自分の才能と努力の成果だと考えているんじゃないかと思います。

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ひょっとしたら今泉あたりは「俺がオールラウンダーに転向を勧めたおかげだ」とか、勘違いしているかもしれません。

でも違うんです。鳴子が今ぐらい山を登れるようになったそもそものキッカケは、田所さんのアドバイスのおかげなんですよね。

 

 

こういうシーンがあったのを覚えていませんか?

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「お前は登れ」

「嫌です!何でワイが登らなあかんのですか!おっさんが登ればええのとちゃいますか?」

 

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「山は体重がものをいう。俺は重戦車、お前は豆つぶ」

「うが〜ッ!」

 

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「スプリンターなのに登れるって派手な男だと思うけどなぁ。もしやったら観客わくぞ?すっげえ目立つんじゃないか?どう思う鳴子ォ?」

 

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絶対やりませんと言いつつ、さっそく翌朝から登りの練習に来てる単純な鳴子の図(笑)

こっそり鳴子のバイクのタイヤの減り具合を調べた田所が「意外と素直じゃねえか」とほくそ笑むシーンもありました。

この辺りのやりとりはコントみたいで面白かったんですよね。

 

金城も金城で、

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「今泉、まだ成長できるはずだ」

「鳴子、まだ目立ち方が少ないんじゃないか?派手に目立ってこい」

「まだ役割はある。巻島を、俺たちの3年間を頼むぞ小野田」

このひともまたこういうひとでした。

 

金城さんも、誰に何と言ってやれば最大級の効果が見込めるか、ちゃんとわかってるニクい主将さんだったのです。

巻島さんも小野田に、壁に当たったら…「突破するっきゃないっショ」と、彼に自分で考えて解決手段を見つけるように教え、小野田はこの言葉を胸に刻んで2年めのインハイに臨みました。

初代総北トリオの先輩たちは、強くて早くて頼りになるだけじゃなく、後輩をのせるのも一級品の本当に偉大な先輩たちだったのでした✨

 

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で、2年になった今年のインターハイを一緒に戦った先輩はというと…当初はこんな感じでした💧

 

①「子供は叱らないで育てる主義」の “友だちお母さん” みたいなノリで、なんでも後輩の好きにやらせて自主性を重んじ、決してNOとは言わない手嶋先輩。

②インハイのスタート地点で緊張してテンパる《昨年の覇者》小野田に、自分は田所に食事のとり方から我慢の仕方に至るまでの基本をイチから教わったとうっかり語って、早々にレベルが露見してしまった青八木先輩。

③誰より見込みがありそうだったのに、凡人コンビに阻まれてインハイメンバーになりそこねた古賀先輩。

古賀が何か身になる実際的なアドバイスでもしていない限り、《熱い振動》以外の部分で、手嶋たちが、鳴子や今泉を成長させるほど後輩に何かを教えられたとは、残念ながら考えられません。


実際、オールラウンダーに転向を決めた鳴子は、打倒御堂筋の一念で自力で登坂能力を強化したみたいだし、今泉がたいして成長してなかったのも、こちらは目標も乗り越えてゆくべき壁となる存在も明確でなかったせいじゃないかと思いますね。

察するところ今泉は、「俺が鳴子を使えるオールラウンダーにしてやる」みたいな見当違いなところで、ひとり空回りしていた可能性大だと思われます(たぶん)

 

 

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鏑木は “神様” 青八木のメモのアドバイスでそこそこ成長したみたいでした。

でも、インハイ本番のスプリント勝負を途中で諦めて後輩にあとを任せた青八木は、残念ながらやはり残念なレベルのままだったのをここで露呈してしまいました。

そうは言っても、手嶋も青八木も1年前まで「特筆すべきところは何もない凡人」だったのに、「インハイに出場していてもおかしくないレベルの3年生」にまで自分を仕上げてきてたわけだから、後輩を指導してる余裕なんかなくて当然だったのかもしれませんけどね。

 

 

総北トリオが1年だった頃、鳴子は「おっさん(田所)を倒す」ことを目標にスプリントのスキルを鍛え、最後のほうでは青八木も加わって誰が「最速スプリンター」かをレースで競ったりしていました。

もしも鳴子がスプリンターのままだったなら、鏑木にもそういう練習が必要だったことや、田所から引き継ぎ、自分の後を託す存在としての指導が必要なことも、鳴子にはたちどころにわかったはずです。

鏑木はもともと才能もセンスもあるようなので、青八木のぬるい指導(失礼💦)でも、教わったことはちゃんと自分のものにできたわけですが、田所がいた時のようなガチな追い込み練習が出来ていたとは思えないし、マジな話、じゃあ来年はどうすんの?ってことなんですよ、問題は。

 

鳴子がオールラウンダーに転向してしまった今、青八木の卒業で、鏑木にはスプリンターの先輩はいなくなってしまいます。

そうでなくても、何故か誰も彼にスプリンターだと教えてやらなかったため、インハイにもオールラウンダー気分で行ってしまったし、もともとスプリント勝負が出来るような練習もきちんと積んでいなかったと思うんですよね。

それで箱学の銅橋とあそこまで戦えたのだから、もしかしたら鏑木はとんでもない才能の持ち主なのかもしれません。

なのに、初心者小野田を個人総合優勝にまで導き、スプリンターだった鳴子に山を登らせた初代総北トリオのような、後輩の才能を伸ばし、次の段階へと引き上げて活かしてくれる先輩がいないことが問題なんです。

 

たぶん次の主将になるだろう今泉には、本番を想定したチームとしての技術や仲間を引くときは全力でなく8割の力で…みたいなレースの技術や駆け引きなら教えられても、スプリンターの精神やスプリントの技術といった、鏑木に本当に必要なことは教えてあげられません。

それができるとすれば鳴子だけです。
…のはずなんですが……💧

 

 

インハイ初日、銅橋とのスプリント勝負に負けて戻った鏑木を、鳴子と今泉が両側からパンチ👊

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「なに負けとんねん、カブ」
「イキって出てって負けてどうする、イキリ」

鳴子のストレートなツッコミはともかく、今泉…あんた口が悪すぎ💦

自分だってそゆこと言われたらガラスのハートがピキピキひび割れるタイプなんだから、もう少し言い方を考えなさいよね。

 

負けてヘコんでいたところを段竹たちの言葉と想いに救われた鏑木が「他の人はみんなもっと優しかったのに」と、文句を言うと

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鳴子には「お前が可愛くないからや」

今泉にも「残念なやつだ」と、辛口な意見を返される始末でした。

 

個人的には、私なら鳴子たちの気持ちのほうがよくわかるんですけどね。

後輩の鏑木が先輩をナメ倒して、しまいには青八木にタメ口になったり、なにかと2年生からの風当たりがキツいのも、原因は手嶋や青八木の甘ちゃんすぎる先輩ぶりにあると思うのです。

初代3年生がいた時の「2年の先輩」としてなら全然OKだったけど、その時期のほとんどをモブとして過ごして、最上級生になってからそれをやっちゃうのはいかがなものかと思いますよ、手嶋さん。

手嶋のゆる〜い後輩の自主性尊重教育のおかげで、言いたい放題、やりたい放題の1年に、鳴子たち2年生はどうしても点数が辛くなってしまうし、どうやらこの3人はこういう形で関係が定着してしまった様子。

 

 

2年の現総北トリオは、自分勝手で協調性がない今泉、高校から関東に転校してきた鳴子に初心者の小野田と、揃いも揃って「先輩と言えば金城、田所、巻島」だけだし、彼らが卒業した後は自力で強くなるしかなかった世代です。

それでも今泉抜きで鳴子だけなら、

「しゃあないな。カブがもうちょい素直で可愛らしい後輩やったら、ワイが勝ち方おしえたったのにな。ワイは去年のスプリントで箱学エーススプリンターの筋肉まつ毛くんには勝っとるんやで。まぁ田所のおっさんには僅差で負けたけどな」

みたいな流れになっても、別におかしくもないし無茶な展開でもないんです。

(おバカ鏑木がここでまた「間に合ってます」的な可愛げのないことを言わずに我慢することを覚えたらですが💧)

 

鳴子の関西風ノリの軽口は、今泉の笑えない冗談ほど引っかからないし、ちゃんと鳴子なりの加減も抑制もしてるみたいなんですけどね。

してなかったら、もっと容赦なくアホボケカス的な言い方してるだろうし、鳴子と鏑木は本来、同じスプリンター同士として、お互いの気質や本質をちゃんと理解し合える先輩後輩の間柄にだってなれるはずなんですけどね。

 

 

たしかに鏑木も可愛くない後輩なんですが、スカシとセットで鏑木いじめみたいなことをしてる鳴子は、わたし的にはイマイチ鳴子らしくなく見えます。

それもこれも、新入りを最初からビシッと躾けずに完全になめられてしまった手嶋たちの責任だと思うんですけどねぇ。

1年が鏑木みたいなタイプでなく、小野田や鳴子みたいなタイプだったら手嶋のやり方でも問題なく通用したかもしれないけれど、要は何事も相手を見てやらないとね。

観てるこっちまでイライラしてくるようなあのやり方で、1年と2年が問題なく仲良くやれるかどうかもわからないなんて…策士の名が泣きませんかね?手嶋さん(私は手嶋に辛口w)

 

それにしても、今泉のセリフって、ほんと冗談に聞こえないというか、聞き流せずにカチンとくるような言い方が多いんですよね。

敗因は、友達いなくてそういう会話に慣れてないせいだと思うけど、もしや鏑木を扱いにくい後輩にしている元凶は今泉だったりして💧

下に弟妹が3人もいるような鳴子なら、その気になれば末っ子気質の鏑木を手懐けるぐらいは造作もないと思うんだけど、自己中でも問題にされないまま育ってきたおぼっちゃま今泉の余計な口出しが、全てを台無しにしている構図がチラチラ浮かんでくるんですよね。

 

たとえばさっきの流れの方向に進めば…

(すまんかったな、カブ。ワイはオールラウンダーに転向してから自分のことでいっぱいいっぱいで、ワイかてカブの面倒みたらなあかんかったのに、無口先輩に任せきりやったわ…。

無口先輩がカブの面倒みてくれとるんやったら、全面的に任せて大丈夫やて思とったけど…考えてみたら、あの先輩かて初めてのインハイでいっぱいいっぱいやったはずなんや。

今さらゆうてもしゃあないし、ワイひとりでは田所のおっさんみたいにはできひん。けど、このままやったらあかん!それはわかっとる。

これはワイの仕事や。ワイがやらんことには、スプリンターやないスカシや小野田くんにはできひんことやさかい…)

ノローグでの反省に続いて、ここは最終手段を選択して、田所さんのお店に「パンを買いに行く」決心を固める鳴子くんでした。

と、まぁこういう流れに持っていけるんですけどね。

わたし的には、鳴子は本来こういう感じの反応に出るんじゃないかと思うのです。

 

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さて、どんどん妄想いきますよ〜♪

 

万策尽きて先輩に相談に行ったのに、あくまで「パンを買いに来ただけや」と相変わらず意地を張る鳴子を、田所さんが手のひらの上でコロコロころがすさまが目に浮かぶようですw

 

鳴子にオールラウンダーの可能性を持たせた田所の勧めで、鳴子と鏑木、部活を引退した青八木も一緒にクリテリウムでスプリント勝負をして、ついでに鏑木にも山を登らせるよう指導…とかでしょうか?

強いスプリンターだけいても、ゴールを狙えるエースも小野田に代わるクライマーもいないんじゃどうにもなりません。

鳴子たち総北トリオが卒業後は、段竹をクライマーにして、鏑木がエースでゴールを狙うしかなさそうです。

と、なると…

 

「いいか、よく聞け赤あたま。あの子供みたいなスプリンターが3年生でエースを張れるかどうか、そのカギを握ってるのはお前だ。そこんところは忘れんじゃねえぞ」

「ワイはそこまでカブの面倒みたらなあかんのですか」

「そうだ。お前は自分ひとりで登りを攻略したけどな、オレンジ頭は相棒がいなけりゃ簡単に折れちまいかねないようなガキなんだろ?青八木の話じゃ、相当なおバカらしいし、何をどうするかはこっちで考えてやって、そいつを教え込んで、ひとりでもやれるようになるまでのフォローは必要だぜ」

「めんどくさいっすわ。大体あいつホンマ可愛くないんすから」

「お前だって似たようなもんだったけどなぁ鳴子」

「…………。で、何から教えたったらええんですか」

「小野田だ」

「小野田くん?なんでですか」

「小野田を連れてこい。今泉には内緒でだぞ」

田所が意地の悪そうな笑みを浮かべる。

「今泉が余計な口出ししてお前の足を引っ張らねえように、先手を打ってあいつには小野田をつけておく。細かいことは巻島と相談して、小野田と直接連絡とらせるところまでは俺が手を貸してやる」

「ホンマですか?おっさん!恩にきます」

「だったらおっさん言うな!その代わり鳴子、お前は “平坦も早いスプリンターなのに、山も登れてオールラウンダーもやれるすげえエース” の見本になってもらうぞ」

「ワイがですか?」

「そうだ。小野田もたまげるほどに山が登れて、スプリント勝負でも負けなしの最強スプリンターのテクや感覚も研ぎ澄ましてもらう。来年のインハイまで、寝る暇もないぐらい練習してもらうぜ。覚悟しとけよ?」

「なんでワイばっかりそこまでせなあかんのですか」 

田所がニヤニヤ笑う。

「もしそうなったら、観客の目もカメラも、鳴子ォ、お前に集中するだろうなぁ。平坦も、山も、ゴール前でも、赤いハデな頭とバイクの、スプリンターにしてオールラウンダーでもある総北の赤いエースに、どいつもこいつも釘付けになるんじゃねえか?」

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✨✨✨キラキラ〜ン✨✨✨(笑)

「そうやって去年もお前は俺の言葉にのせられたよな」ガッハッハ

「ハッ!さては…ぜんぶ計算やったんですかッ⁉︎」

「ちゃんと効いたろ?お前は絶対に登らないと言いながら、コッソリ練習して短期間であそこまで登れるようになった。お前なら絶対やるだろうなと俺が思ってたとおりにな。なら、今度もやれる」

「せやけど、同じ作戦が鏑木でもうまくゆく保証はあるんですか?」

「ないな。だから、まずは鳴子、お前が強く速くなれ!そしてその姿を後輩に見せてやれ。そうすりゃちっとはそいつも恐れいって、お前に対してぐらいは生意気もおさまるか、お前に負けたくなくて死ぬ気で頑張るんじゃねえか?」

 

田所のアドバイスに従い、鳴子は自分を限界まで追い込んでパワーアップに成功し、鏑木の目の前で、クリテリウムヒルクライムの両方で勝って見せたのでした。

田所の狙いどおり、鏑木が鳴子を見る目にも多少の変化が見られました。

 

かつて、初心者だった小野田を懸命に支えた鳴子の献身が総北に奇跡をもたらしたように、今また最上級生となった鳴子の努力と献身が、再びチーム総北を光の世界へ導こうとしている……。

 

2年めのインハイ、もう総北が負ける前提で書いてますけど💧

これは本編をベースに私は「もっと鳴子が活躍するこういう話が観たいんだ〜ッ!」という妄想ですから…。